多くのコンテンツ量ではなく、ユーザーにストレスをかけないコンテンツ量で、企業イメージキーワードである「信頼感」「誠実さ」「シャープさ」「洗練」「重厚感」を、主に今後新たに取引される方々に対して的確に伝える事がクライアントの希望でした。
また海外の取引もある事から同デザインでの英語版のサイトの制作、資料としての使用も考慮した印刷への対応も希望でした。

そこでインサイドテックでは、「信頼感」「誠実さ」「重厚感」のキーワードからは、豊富な知識・経験をベースに最適なソリューションを提供できる頼れる企業としての『堅実』さ、「シャープさ」「洗練」のキーワードからは、日本の同業他社に見られるような堅い真面目さだけではなく、海外企業とも対等にビジネスを行える柔軟性のある企業としての『斬新』さに着目し、『堅実と斬新』をコンセプトに掲げました。『堅実』と『斬新』という2つのキーワードに分類することでデザインの方向性をより明確化し、ターゲットへの訴求が可能となるようコンテンツやデザインの提案を行いました。

更にレイアウトパターンにおいても、クライアントの希望を実現するのに適した3つのパターンに絞り込みました。（下図1〜3参照）
サイト全体で企業の世界観、雰囲気を作り上げる「ブランディング重視型」。イメージ画像を大きく配置し、最小の要素のみで設計する「ビジュアル重視型」。コーポレートサイトの標準的な仕様であり、各ボタンやページ遷移が容易に把握出来る「ユーザビリティ重視型」。以上の3つのデザイン案を制作すると共に、各レイアウトタイプのメリット、デメリットを精査する事で、感覚のみを重視したデザインではなく、目的を達成させる為の論理的なデザインを心掛けました。
その後クライアントと打ち合わせを重ね、最終的には「ユーザビリティ重視型」をベースに、「ビジュアル重視型」のメリットもうまく取り入れた案でのデザイン制作に決定しました。



デザイン制作ではコンテンツの背景に、大理石のテクスチャーを使用する事で重厚感を表現しましたが、重くなり過ぎる事を意図的に避けるためにやや明度を高め、洗練したイメージも損なわないように心掛けました。トップページではメインビジュアルエリアとの境界を横一直線ではなく、若干カーブを加える事で『堅実』さを保ちつつも『斬新』なイメージがターゲットに伝わるよう配慮しました。このような細かなデザインアイデアや微調整により、コンセプトである『堅実』と『斬新』という相反するイメージの共存を可能にしました。

また様々な対策をすることで、企業の信頼性を損なうことなくクライアントのご希望に沿えるよう細心の注意を払いました。
印刷への対応としては、cssのみでの対応では今後各ブラウザのアップデートにより、正確に印刷されない場合を考慮し、PDFでの対応をご提案しました。それにより、様々な環境下で利用するユーザーにとっても、各ブラウザのPDFビュー機能ではアイコン表示による印刷や拡大縮小機能も容易に使用が可能になると共に、css対応時のようなプリント時の画面の崩れが防げるよう対応しました。
クロスブラウザへの対応では各ブラウザでのテストを繰り返し行い、改行の位置やマージンの調整も出来る限りユーザーの環境による表示の誤差を無くし、キャッシュを無効化することで常にコンテンツが最新の状態を保てるよう対応しました。

上記のように、デザインでの訴求、より良いユーザビリティの実現、常に最新で正しい情報提供を行うための対策等、多方面からの『堅実と斬新』を実現するための施策を行いました。